貴重書コレクション

カント『永遠の平和のために』

Zum ewigen Frieden : ein philosophischer Entwurf
(Soda Ab.591)

出版事項

Zum ewigen Frieden : ein philosophischer Entwurf / von Immanuel Kant
出版者 Königsberg : Bey Friedrich Nicolovius
出版年 1795
形 態 [2], 104 p. ; 18 cm
著者標目 *Kant, Immanuel, 1724-1804
本文言語 ドイツ語

解説文

本書は、国際間に永久平和を確立するためには、多数の国家に主権を放棄させることは不可能であるから、協定による諸国家の連盟機構(第二次大戦後における「国際連合」のような構想)の必要性を提唱した、カントの代表的著作の一つである。カントの道徳哲学は「人格主義(人間がそれを目的として追求しなければならない最高の道徳目標は人格である)」である。しかし道徳の目標が自由な人格の達成にあるとしても、もし各自が勝手にふるえば、社会は混乱に陥り道徳目標の達成は不可能となるだろう。国家以上の権力組織が存在しない現状では、国際的な紛争や戦争が起こり、人間本来の目標である人格の完成という道徳行為はきわめて困難となる。人間が人間にふさわしい生活を保障されるには国際間の平和が要請されるが、そのためには諸国家の連盟機構が必要である。本書は、平和思想を具体的に検討する場合はいつも引用されるほど重要な文献となっている。

最終更新日時

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