貴重書コレクション

アダム・スミス『道徳感情論』

The theory of moral sentiments
(Soda Ab.952)

出版事項

The theory of moral sentiments / by Adam Smith
出版者 London : Printed for A. Millar, in the Strand; and A. Kincaid and J. Bell, in Edinburgh
出版年 1759
形 態 [12], 551, [1] p. : 21 cm
注記事項 Errata: p. [1] at end
著者標目 *Smith, Adam, 1723-1790
本文言語 英語

解説文

1759年に出版されたアダム・スミス(Smith, Adam, 1723-90)のデビュー作である本書は、道徳哲学講義の倫理学の主題を展開したものである。同感の概念規定から始まるこの書物は、利害関係のない観察者が立場を交換して当事者のおかれた事情を考察するとき同感する点に、行為や感情の適宜性の原理を求めるものであった。スミスの倫理学は、見知らぬ人々の冷静な目を、人と人との間のコミュニケーションの原理とすることによって、本能的な衝動の社会化を意図していたのであるが、この著作は厳密な意味での倫理学と言うより、道徳感覚と相互仁愛原理に立脚するF.ハチスンの道徳哲学、その中核をなす自然法学体系に代わる、より経験的な自然法学構築のための方法序説として展開されたものであった。彼が、人と人との関係における正義の徳の基礎付けをこの書物の初版の前半部の中心主題とし、倫理と法の差異を明確化するとともに、自然の原理に反する慣行と効用主義の批判を後半部の主題としていた理由はそこにある。スミスは手放しの自由放任主義でなくフェアな自由競争を主張した。

最終更新日時

このページのTOPへ