貴重書コレクション

アダム・スミス『国富論』

An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations
(貴E:140)

出版事項

An inquiry into the nature and causes of the wealth of nations / by Adam Smith
出版者 London : Printed for W. Strahan, and T. Cadell, in the Strand, and W. Creech, at Edinburgh
出版年 1776
形 態 [4], 587, [1] p. ; 29 cm
注記事項 Errata on p. [4] of v. 2
著者標目 Smith, Adam, 1723-1790
本文言語 英語

解説文

本書は、アダム・スミス(Smith, Adam, 1723-1792)の主著であり、「神の見えざる手」で知られるイギリス古典派経済学の誕生を告げる第一級の古典である。第1編は、国民の富の源泉である労働の生産力を改善する分業・交換関係の考察からはじめ、投下労働量と支配労働量との組み合わせからなる労働価値論と構成価格論の展開を通して、国富の分配を規制する法則の秩序性を論証した。ケネーの『経済表』の影響がみられる第2編の資本蓄積・再生産論は、よりマクロ的なフロー分析を通して、生産的労働を支える基金の増大が経済成長を可能にする次第を解明したものであるが、第3、4編では、第2編で展開された資本投下の自然的順序を逆転させたヨーロッパの歴史と、その帰結である重商主義政策の弊害と、それが植民地問題の原因でもある次第が厳しく批判されている。第5編は、政府のなすべき事柄の特定の目的として、国防・司法とならんで、分業の引き起こす疎外を克服するための教育論や宗教論が、国家財政論の主題とされている。『国富論』初版の若干部では、スコットランドでの販売用としてタイトルページの出版事項に "and W.Creech, at Edinburgh"が追加されている。古典資料センターでは、スミスの生前に出版された初版から第五版(1789年)までのすべての版の『国富論』を所蔵しているが、センター所蔵のものはこれにあたり、きわめて貴重なものである。

最終更新日時

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